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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[96]

投稿日:2013年3月5日

小説「宝島」のモデルの島

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「フェリーとしま」でトカラ列島を南下し、第4島目の諏訪瀬島へ。
 トカラ列島は全島が霧島火山帯に属する火山列島。その中でも諏訪瀬島は火山活動が活発で、噴煙を空高く上げている。諏訪瀬島の御岳(825m)はストロンボリ式の火山として知られている。文化10年(1813年)の大噴火では全島民が島を離れ、その後、約70年間無人だったという歴史もある。
 9時45分、「フェリーとしま」は諏訪瀬島の元浦港に接岸。港には何人もの人たちが出迎えに来ている。乗客が降り、コンテナが下ろされると、9時55分、出港。海上から見る諏訪瀬島はすごい迫力だ。空高く上がった噴煙は厚い雲になって空を覆いつくしている。諏訪瀬島はあまり知られていないが、日本でも有数の活火山の島なのだ。
 第5島目の悪石島到着は10時50分。ここでも10分後には出港し、第6島目の小宝島へ。この間には、重要な生態系の分布境界線の「渡瀬線」が通っている。
 この線を南限とするものにはニホンザルやムササビ、ニホンカモシカなどがあり、これより南にはルリカケスやアマミノクロウサギなどがあげられる。マムシとハブの境界線にもなっている。
 渡瀬線を越えて12時25分、小宝島に到着。ここではうねりが高く、「フェリーとしま」は接岸するのに苦労した。出港すると、見送りの若者3人は防波堤の突端まで走り、そこで手を振っている。船が小宝島を離れたところで、レストランで昼食。カンビールを飲みながら、「中華丼」(630円)を食べた。
 トカラ列島最後の島、宝島到着は13時15分。
 トカラ列島最南端の宝島はスティーブンスンの小説「宝島」のモデルとなった島として知られている。島内には海賊キャプテンキッドが財宝を隠したと伝えらる鍾乳洞があり、多くの探検家や賞金稼ぎがこの島を訪れた。文政7年(1824年)にはイギリス船による侵略があり、翌年、徳川幕府が出した「異国船打払令」の一因にもなったという。
 13時25分、「フェリーとしま」は宝島を出港。トカラ列島の島々が遠くなっていく。それとともに海はシケ、グラグラ大揺れに揺れる。乗客の大半は船酔いでぐったりしている。
 鹿児島港を出てから16時間40分後の16時30分、「フェリーとしま」は奄美大島の名瀬港に到着した。
「さー、奄美大島一周だ!」

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噴煙を上げる諏訪之瀬島
諏訪之瀬島で船を待つ人たち


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下船開始
諏訪之瀬島を出港


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諏訪之瀬島を離れていく
海上の悪石島を見る


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悪石島に到着
悪石島を出発


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小宝島を見る
小宝島に到着


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昼食の中華丼
宝島に到着


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宝島を離れていく
トカラ列島が遠くなっていく


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